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2011倫理経営講演会 (ウルトラセブンデイズ)

2011倫理経営講演会 (ウルトラセブンデイズ)
テーマ:創世の経営道

日 時:2月7日(月)18:30~20:45

場 所:いしかわ総合スポーツセンター

第一部:事業体験報告 18:35~19:20

講 師:紺屋製紙株式会社 代表取締役
    静岡県富士市倫理法人会 相談役
    法人インストラクター
山本尊久(やまもと たかひさ)
演 題:「我流 ベトナム進出」

今年の倫理系講演会の事業体験報告には静岡県富士市倫理法人会より、紺屋製紙の代表取締役である山本尊久氏をお迎えした。お歳は75歳と言われたがとてもお若く見える。倫理法人会に入会したのは8年前。開口一番私は9人兄弟の二男で、いのしし年、猪突猛進で気づいたことは即効行う誠に倫理的な性格です。先代が染物屋をしていたが製紙業に転換。職人が経営者になったので経営も挫折して倒産。兄と山本氏が高校を卒業するのを待ち、事業を再建されたそうである。その道56年、中小企業の生きる道は差別化しかないとの信念を持ち他にはぶれず製紙業一筋で歩んでこられた。

紺屋製紙が転機を迎えたのは2003年3月ベトナム視察旅行である。山本氏は最初は奥様と一緒に観光気分であったが、縁は不思議なものでベトナム・ハイフオン工業団地の地に立ち紺屋製紙が目指す差別化はこの地に工場建設をすることと思ったという。山本氏はリスクを伴わない差別化はないという。現地のムードはみんなすぐ帰るだろうということであったが、銀行や、地元紙の応援もあり全国で一番小さい製紙会社はベトナムの地に工場を持つことになる。日本では大企業の足元にも及ばないが、外国では彼らと同じ土俵で仕事ができることに驚いた。当時社長68歳。どんな会社も成長戦略をとらないと、後退し倒産するしかない、どんな会社も夢と希望が無ければやっていけないと信念を持っていた。2003年ベトナム進出と倫理法人会での学びが同じくスタートした。世界で仕事をするには、100年企業になるには倫理経営しかないと思っている。

ベトナムの戦略は
1、スタートから性善説
2、最初から現地人に全てを任せる(日本人スタッフを置かない)

紺屋製紙の海外進出ポイント
1、ハイフォオン工業団地に入る
2、100%子会社とし、独資にする
3、製品は全量日本へ輸出する
4、工場の機械は、日本製の最新鋭のものを採用(故障なし)
5、建物は高くても大手(大林組)に発注することで、海外でのノウハウを得られた

当時の投資は5億円という莫大なもの。日本では投資効果が読めなかったがベトナムではある程度先が読めた。現地のワーカーは18~20歳。特徴は、明るく、元気で、すなお。誠に倫理的で勤勉ある。これが何よりの成功の秘訣。ベトナムの賃金は27名で50万円/月。日本の賃金は13名で250万円/月。機械や土地を含めて考えると約1/20の感覚である。現地のワーカーは視力が2.5もあり、その視力での製品チェックの品質は高くノークレームである。海外生産でのデメリット(日本への輸送費、メンテナンスにかかる経費が割高な点)もあるが差し引いても、ベトナム進出は成功したと思っている。今では、工場長は日本語が堪能になり、朝礼は倫理法人会の活力朝礼を取り入れるなどしている。

最後に山本氏が繰り返し言われたことは倫理の真髄ともいえる、明るく、元気で、すなお。このすなおが、どれだけ企業に活力を与えるか良く分かった。笑顔の素晴らしさがどれだけ周りを元気にするかわかった。これからもアジアのタグボートは日本である。

山本氏のベトナム進出体験談は68歳から75歳までの実体験。行動を起こすことに年齢は関係ないことを身をもって証明して下さり、参加者一同のモチベーションが上がった。

by rinrikana01 | 2011-02-08 10:28 | 行事報告

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